獅子座上弦の月*獅子座30度*開封された手紙~この傷は、分かち合うことで癒えてゆく

 

5月20日獅子座上弦の月です。

 

獅子座の物語。

 

これはひとつの寓話です。

 

蟹座がコミュニティの内部を表すとすれば

自分なりの「個性」を

感じ取るのが獅子座。

 

自分だけの、

自分にしかない「個性」。

 

それに「気がついてしまった」獅子座は

蟹座のコミュニティに

微かな「違和感」を感じ取ってしまいます。

 

けれども

もしそれを口にしてしまったら

きっと何となく

「ここ」にいることが

居心地が悪くなってしまう…。

 

そう感じた獅子座は

口を閉ざします。

 

そして

その微かな「違和感」を

クリエイティビティ…

「創作」に向けるのです。

 

何故ならそうして

自分の内部に燃える

小さな焔のエネルギーを

燃焼させなければ

 

自身がその焔によって

どうにかなってしまうかも

しれないから。

 

そうやって

「創作」を行うことで

じぶん自身のアイデンティティを

保つことができるから。

 

それを表現した作品を

見てもらった誰かは

何と評するでしょうか。

 

他者と

自分との間に

大きな温度差があるからこそ

個人を行為(創作)に駆り立てる

アイデンティティが成立しました。

 

だから、仮に理解されても

必ずそこには

完全には共鳴し合えないという

不満が残ったのです。

(松村潔先生「愛蔵版サビアン占星術」)

 

「自分らしさ」を

しっかりと

見つめれば見つめるほど

感じてしまう「違和感」。

 

それは

心の奥底で

いつも

微かに疼(うず)いている

小さな小さな「傷口」のよう。

 

傷と個性は同一のもので

「共感しあえない」という傷が

獅子座の「創作衝動」を

成立させてきました。

 

(同上)

 

さて、

今回の獅子座上弦の月のサビアン・シンボルは

獅子座30度

「開封された手紙」

です。

 

 

獅子座が

内に留めていた

自身の中で微かに

でも力強く燃え立っていた焔。

 

それは

傷口から染み出る

赤い血のように。

 

誰にも理解してもらえない…「私」。

 

でも、それでいい。

 

わたしは、わたし。

 

それを「創作」にぶつけてゆく。

 

それが獅子座のプライドであり

哀しみでもあり…。

 

それは獅子座を孤高たらしめている

「孤独感」でもありました。

 

そんな獅子座の「想い」が秘められた

ヒミツの手紙。

 

それが、いま、「開封」され

人目にさらされたのです。

 

最後の度数で

この獅子座の「存在の根拠」が

打ち上げ花火のように解放され

その勢いが消失します。

(同上)

 

隠し持っていた

隠しもつことで

「孤独」であることで

自身を

特別な存在と考えていることもできたのに…。

 

もうそれは叶いません。

 

何故なら、前に進まなければならないから。

 

何故なら、ここから先は

「乙女座」の領域だから。

 

1ハウスから始まった

ホロスコープの「個人の領域」の

最後のサイン(6ハウスのナチュラルサイン)

である乙女座では

 

「個人の完成」が何よりのミッション。

 

そして次の7ハウスからは

「他者との関り」がメイン・テーマとなってゆく領域。

 

7ハウスのナチュラルサインは

人との適切な関わり方のバランスを重視する

天秤座です。

 

自分の個性をかなぐり捨ててでも

手を差し伸べて

「他者へ奉仕」し

細部まできちんと気を配り

正確確実に仕事をこなしていかなければ…。

 

そんな「乙女座」の手に

開き損なったパラシュートのように

堕ちてゆく獅子座。

 

獅子座はこの度数で

何を行ったのでしょうか?

 

それは

「隠しもっていたもの」を

すべて、さらけ出したのです。

 

「創作」の中の劇中の人物に

託していた傷の痛み。

 

「表現」に昇華されていた

裏には

どんな「想い」があったのか

 

それを書き綴っていた

宛名の無い手紙の封が

解き放たれたのです。

 

「素顔」を晒(さら)すこと。

手の内を見せること。

 

獅子座にとって

それほど恐ろしいことが

他にあるでしょうか?

 

獅子座を獅子座たらしめていた

「周囲との断絶」という大きな壁。

それに伴う孤独。

 

それを手放すことは

何より欲していたことであり

また

怖れていたことでもありました。

 

壁の向こうは…

 

そこにいる人は…

 

じぶんにどんな言葉をかけてくるのか?

 

 

けれども獅子座は

まだ少し痛みの残る

胸の傷口を

片方の手で押さえながらも

そっと立ち上がります。

 

「やっぱり…

わかってもらえないかもしれない。

でも…もう、いいんだ。」

 

 

そして

 

もう片方の手を

そっと伸ばすのです。

 

そう、あなたへ…。

 

 

僕は僕の「痛み」を

十分に味わい尽くしたんだ。

 

そう…十分に。

 

だから、

君が抱える傷が

どんな風に痛むかも

わかってあげられる。

 

きっと。

 

そして

この「ボク」の書かれた手紙を

手渡して。

 

得られなかった「共感」を

今度は

ここから

「創り出す」ために。

 

あなたと。

 


 

本日もお読みくださり

本当にありがとうございました赤薔薇

 

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