夕刻が近づくにつれ…居間から見える庭の向こうの電線に、1羽、2羽…そしていつの間にか、本当にあっという間に、音もなく電線がスズメでいっぱいに…。そして電線の上の方にも、こちらの様子を伺っているスズメたちが…。その数は20?30?…いえもしかしたら100羽ほどもいたかもしれません。
それは
ヒッチコックの映画「鳥」の
予告トレーラーを
思い出させられるような…。
いえいえ
怖い話ではないのですが。
でもわたしは
とても不思議に思いました。
何故?
なんで
集まってきているの?
でもその疑問符は
間もなく解消されました。
定刻?になると
居間と
庭とを遮る窓は開け放たれ
小柄な身体から
太い腕が
大きく大きく伸ばされ
その先から
庭いっぱいに
パンくずが
ばらまかれたのです…。
1回、2回、3回…
とたんに
パーッと
スズメたちは
いっせいに
庭に降り立って
われ先にとそれを
ついばみ始めました。
1日をちょっと緊張気味に過ごし
少しばかり居心地の悪さを感じながら
居間のソファーの端の方に
ちょこんと座っていた私は
それを見てふっと気が緩み
顔に微笑みが戻りました。
なんだ、優しいところもあるんじゃない。
それは10年近くも前
主人と義父の家を訪ねた時の
懐かしい光景。
そう、それが
義父の「日課」だったのです。
ちょうど日も沈み
みるみる夕闇が
その様子を包んでゆきます。
じゃあ俺たちそろそろ…
そう言って席を立った私たち。
でもほの暗い
庭先のワンシーンは
印象派の絵のように
目に焼き付きました。
誰にも知られず
義父と鳥たちだけの
ひっそりとした
物語の…。
牡羊座上弦の月のサビアン
今回のサビアンを見て
まっさきに浮かんだのが
こちらの光景でした。
1月110日
牡羊座上弦の月
月のサビアンは
牡羊座20度
「冬に鳥にエサをやる若い少女」
というシンボルです。
(ホロスコープを無料で作成さんより。サビアンは+1度読みになります)
いえ、「少女」でなく
「初老の男性」なんですけどね(笑)
あ、でも、そう言えば
牡羊座だったっけ。
お誕生日
このあたりだったかも…。
気になって調べてみると
やっぱり
隣のとなり
牡羊座18度
「空のハンモック」
というサビアンでした。
しかも…
よくよく見てみると
火星がぴったり
このサビアン・シンボル
う~んやっぱり
サビアン凄いな~
しかも木星が
真逆の180度
天秤座20度
「ユダヤ人のラビ」
というサビアンでした
「自分の信念に沿った行動を繰り返すことで
「信念」を強化していく…
というサビアンです。
牡羊座第4グループ
そう、牡羊座と言えば
ホロスコープ12サインの
トップバッター
「自我」を育成するサインと言われ
「自分の生き方」や
「自己像の確立」への模索が
テーマであり
「わたしが」を
打ち出すエネルギーが
強い方が多いのが特徴。
確かにテコでも動かないような
頑固な面もありましたが
けれども義父の場合
ものすごく社交的で
友人の数も大変多く
話しをしていても
あらゆる知人たちとの
種々雑多な経験談が
いつも話題に登っていました。
そう、サビアン・シンボルでは
16度から20度は
サビアン第4グループに属します。
サビアン・シンボルでは
どのサインでも
第4グループは対向の、
つまり真反対の性質のサインが
「流入」してくるとされています。
牡羊座で言えば
対向の「天秤座」の資質です。
個人という意識を
発達させなくてはならない
牡羊座の中に
他者の意見を聞こうとする
天秤座が入ってくると
牡羊座の
積極的な意志を
弱めてしまいます。
16度からの牡羊座第4グループは
この「影の力」としての
天秤座の影響を
いかに克服するか…に力を使います。
(松村潔先生「愛蔵版サビアン占星術」)
この第4グループに
太陽、火星と
2つも個人天体を持ち
そして
その真逆の
天秤座第4グループ
(つまり天秤座に
牡羊座の影響の流入するところ)
に木星を持つ義父は
「個人」と「他者」の間で漂いつつ
その中から
「自分」を確立していくことが
ひとつのテーマであったのだな、
と思いました。
「他者からの影響」の克服
そして
こちらの20度というのは
この第4グループの中でも
最後の度数。
つまり
第4グループでの
「試行錯誤」の
「結論」とも言える度数です。
第4グループで
天秤座の流入を受けた牡羊座は
まず「小休止」
することから始めます。
牡羊座16度
「日の入りに踊っている
妖精ブラウニー」
です。
無理に頑張らなくてもいいのではと
考えるようになり
ここからしばらくは
牡羊座の積極性を失います
(松村潔先生「愛蔵版サビアン占星術」)
お休みして
のんびりできるならいいじゃない
と私なんて考えてしまいますが…(笑)
別の牡羊座の知人は
自分のことを
「マグロ」と言っていました★
回遊性の魚は、
泳ぐのをやめると死んでしまうとか…
(ほんとかな??)
いえそれくらい
「動いて」いないと
落ち着かないそうなんです…。
そんな牡羊座の方もいるくらいなので
そういう方にとっては
「止まって休む」なんてもってのほか(笑)
…でしょうね
休みなく活動することで
みずからパワーを作り出しているため
少しでも立ち止まると
パワーも同時に失うことになるのです。
(同上)
きっとこの傾向の強い方は
四柱推命で命式を出したら
【木の気】や【火の気】が多かったり
陽干が多かったり
するんだろうなあ
そして続いて
17度では
内省的に、少々陰気になり
18度では
コツコツと日々の実務を大切にすることで
徐々に自分を取り戻していき
19度では
え~い
もう暗くなってるのはおしまい
どうにでもなれ
…とばかりに
「大風呂敷」を拡げて
何か景気の良いことをして
自分を燃え立たせたくなり
(同上)
牡羊座らしく
「自分を元気に」
してゆくのです。
つまり
いきなり「他者との関わり」という
意識の侵入を受けた牡羊座は
第4グループの経験を経て
周囲の状況に振り回されて
自信を失ったり
落ち込んだり
恐れたりするところから抜け出て
(どんな気分の時でも)
自らの内面の火を
燃え立たせることで
(牡羊座は【火のエレメント】)
周囲に気を配り
多くの人の意見を
取り入れつつも
それでもあえて牡羊座らしい
誰が評価しなくても走るという
積極性を取り戻し
自分の牡羊座の力を失わない人に
成長するのです。
(松村潔先生「愛蔵版サビアン占星術」より抜粋)
そう、義父の人生は
大学へ進む時も
就職も
結婚も
「人との縁」で
すべて繋がれていました。
更に
人ととことん関わる職業の中で
いろんな体験をし
いろんな意見を聞きながら
その中で
「これ」と思ったところを取り入れ
いったん自分の信念として取り入れると
それを貫いていた人だったと思います。
(「ユダヤ人のラビ」にも繋がりますね)
自己のエネルギーを、他者へ拡げる
牡羊座19度で
一連の「天秤座」の侵入を克服したのちに
「自己のパワー」を
取り戻したん牡羊座は
20度ではそこから更に
他者の救済に活用できることを知り
親切なひとになってゆくのです。
(松村潔先生「愛蔵版サビアン占星術」)
そう義父も
「自分」を強く持ちながらも
いつも「他者」に気を遣い
常に自分が相手にできることを
探しているような人でした。
当然、相手も何かお返しを…
と思うようで
家の中はいつも
お中元・お歳暮の箱が
山積みになっていました。
そうそう結婚が決まった時
たまたま
義父の会社の方と
話す機会があったんです。
義父を称して
良いですね。
接していて、
とても心の温かな方と思いますよ。
と言われたんです。
牡羊座20度が
火星のサビアンですから
「人への親切心」が
「行動の動機」になっていた方だなあ
と今とてもシックリきています。
けれども
子育てにつまづき
親の病気にも直面し
一杯一杯で
じぶんを見失っていた私は
それを素直に受け取れなかったんですね。
それがまた義父を
歯がゆくさせていたんだと思います。
蟹座とはスクエア
実は私の個人天体は
蟹座に多く
この牡羊座―天秤座とスクエアで
私にとっては
「え、その価値観、違うんじゃない」と
思えてしまうんです。
それをガマンして飲み込むと
苦しくなるし
かと言って
思い切って吐き出せば
衝突する…
という連続でした。
今思うと
あ~そうだったのね、と思いますが
(義父との相性を調べてみようという
発想が無かった…)
お互い相手を思ってのことなのに
蟹座の情的な「思いやり」と
天秤座の社交的な「思いやり」とが
噛み合ってなかったんですね(笑)
星占い?占いなんてやめておけ…と言われ
ハイハイ…と思っていましたが
向こうもなんじゃそりゃ?
と思ったのかも知れません。
昨年亡くなって家財を整理していたら
「もっと知りたい星座占い」
なんて本が出てきました。
殆ど読まれてはいませんでしたけど…
なんか嬉しかったです。
スクエアは
「急に曲がり角から
飛び出してきてビックリする人」
なんて言われますが
なんだかソリが合わないくて
理解に時間がかかる人…。
でもだからこそ
たくさん学ばせて頂くところが
あったんですよね。
たとえば
情に流されがちで
自分の意見は言えなかったわたしが
「自分の考え」がどこにあるのかを
模索したり
それをちゃんと
表明したりすることを
学んでいたのかもしれませんね。
義父を通し
牡羊座・天秤座20度という
直角に映し出された鏡像から。
しかも私
天秤座がMCですからね…。
きっと「ソウルメイト」ってやつですね。
いろんな出来事の中で
わたしも成長し??
いろいろ身辺落ち着いて
最近は義父の
いろんな側面を
受け入れられる
ようになったところで
コロナが始まり
行き来が少なくなっていました。
訃報の知らせを聞いた時は
すごいショックで。
亡くなるとわかっていたなら
感染を恐れず
もっと側にいたら良かったと。
昨年は追悼の1年でした。
あるスピリチュアル系の方が
「地上で役割を演じているソウルメイトも
あの世に戻ればとっても仲良し」
と仰っていましたが
いつか再会する時は
お疲れさま
と言い合うのかも知れません。
それまではこちらで
ご冥福をお祈りしたいと思います。
牡羊座20度 まとめ
魚座木星期に重ねて
…いかがでしたか?
他者と関りながらも、それに
「呑み込まれる」ことなく
自分の中から湧き出るこころを
素直に見つめ直して
慈愛や同情心の
ボールに変えて投げ返す…
そんなことが
求められているのかもしれません。
そして
昨年末12月29日には
木星が魚座に入りました。
「他者への共感や慈愛」
「弱いものへの同情心や奉仕」
は魚座の精神性に
繋がるものと思います。
この木星が
魚座の支配星である
海王星とぴったり重なってゆくのが
このサビアンに
太陽が重なる前後の
牡羊座の季節なんです。
不思議ですね。
魚座でこの現象
(木星×海王星の合)が
起こるのは
実に165年ぶりだそうです。
(2,3度生まれ変わらないと
経験できないレベルですヨ)
これは大きな大きな
「浄化」の時期
と言えそうです。
そうそう
義父と最後に電話で話した時
もらった言葉が
「自然のままに任せなさい」
だったんですよ。
あんなに二人して
「じぶんの考え」にこだわって
ぶつかり合っていたのにね。
今年の一大イベント
魚座での
木星・海王星コンジャンクション期
までには
私たちの
心の中の「わだかまり」を手放して
「他者」のこころへ
溶け込んでゆきなさい。
そしてその先にある
「ワンネス」という
「大きな流れ」へと…。
今回の牡羊座上弦の月は
そんなストーリーの
プロローグなのかもしれません。
~開運*美ライフ*コーディネイター~
宮代 彩也乃(みやしろあやの)
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