山羊座10度「手からエサをもらうアホウドリ」*未知なるものにも心を開いて
12月31日前後の太陽のサビアン。私たちは、他の人や状況に対して、無意識のうちに警戒心や疑いの気持ちを持ちやすいもの。けれども、素直に目の前に差し出されているものを受け取ることで、入って来る「豊かさ」もありますね。それは自分自身の世界を拡げてゆくきっかけにもなり得ます。自分の中の「不信」や「怖れ」を克服して未知の人や環境・習慣と繋がっていくことの大切さを伝えてくれるシンボルです。
山羊座10度を太陽のサビアンシンボルに持つ可能性のある方:
津田梅子氏(教育家)
倉本聡氏(脚本家)
アンソニー・ホプキンス氏(俳優。「羊たちの沈黙」)
アンリ・マティス氏(画家)
アホウドリとは
アホウドリは日本近海で繁殖し
かつては乱獲により激減したものの
現在は保護されている希少な鳥です。
アホウドリは渡り鳥で
一生の大半を海上で過ごしますが
繁殖時のみ島に戻ります。
警戒心が非常に少ないため
また大柄で飛翔力は高いのですが
離陸には助走が必要なことから
飛び立つのに時間がかかるそう。
そのため
食料や羽毛の供給源としての
乱獲を招き
残存数が一桁とも目される
絶滅の危機に瀕しました。
けれど手厚い保護活動により
現在では数千羽まで
回復が進んでいます。
このようなアホウドリの習性から
こちらのシンボルは
じぶんの内面の「怖れ」を克服し
新しい社会
新しい人びととの出会いへと
素直な「向上心」と
「好奇心」を持って踏みこんでゆく
パワーを象徴しています。
それは私たちに
信頼を持って
未知の可能性に向かう
勇気を教えてくれるものです。

潜在意識の設定変更
このシンボルは、このように
潜在意識にある
不安や自己制限を手放し
他者に信頼を寄せてみることの
大切さを教えてくれている
とも言えそうです。
見知らぬ人・状況に
「一歩踏み出してみる」ことで
「自分の個性」を
「あたらしいかたち」で
活かしていくための
気付きにも繋がります。
またもうひとつ
こちらのサビアンシンボルには
「差し出されたものの
善意を受け取っていく」
意味も持ちます
裏切られるかもしれない…
痛い目に遭うかもしれない…
傷つけられるかもしれない…
そういった
「恐怖」や「恐れ」は
誰の心の中にも
いつも潜んでいるもの。
けれどその「要因」は
「相手の中」にあるものではなく
「自分自身」の中に
潜んでいるものなのだから
それは自分自身で
「コントロール」可能であるもの
とも言えるのです。
最新物理学「量子力学」でも
私たちが「意識を向けたもの」
「フォーカスしたもの」が
「現象化」する…とされています。
すると「恐れ」に意識を向けるより
「信頼」により意識を向け
エネルギーを注ぐことで
「信頼」に値する出来事が
具現化してゆく…と言えるでしょう。
このように私たちの「思い」を
意識して「コントロール」していくことで
私たちは現実を
変えていくこともできる―
そうした可能性が示唆されています。

「枠を拡げる」ことの意義
そのように私たちが
「意識をコントロール」することは
「自分の人生を拡げる機会」を
みずから遠ざけないためにも
とても大切なことであると思います。
アホウドリが勇気をもって
人間を信頼してきたということ―
私たちも、ともすると
慣れ親しんだ世界の外へ
踏み出すことを選ばず
古巣に留まり続ける
選択をしがちです。
けれども
ここで少し考えてみたいのは
万が一そこから
じぶんに不利な状況に
遭遇したとしても
アホウドリのように
命にかかわると言うことは
現代では少ないこと
なのではないでしょうか。
つまり「異質なもの」への
接触の体験は
「ひとつの経験」として
じぶん自身の成長に繋がるということ―
そこから
何かを思い
何かに気付き
何かを発見してゆくことが
できるのではないでしょうか。
つまりそうした
「コントラスト」から
得られてゆくものが
あるのではないでしょうか。
それは
「自分自身」についての
「新たな発見」となり
そこから
「新しい自分」へと
また歩み出してゆくことが
できるのではないでしょうか。

「異質なもの」を取り入れる価値
またこのような性質は
「共同体」にとっても
メリットをもたらします。
アホウドリは
一羽では生き延びられない環境で
共同体の力を活かします。
集団で繁殖し
協力し合う習性があります。
それは、山羊座の社会的責任感や
組織性を彷彿とさせます。
けれどもローカルな共同体で
その環境に長く馴染むことは
その共同体特有の習慣や約束事
が自然と形成され
それに縛られることにもなりがちです。
それは安心感をもたらしますが
一方で、その枠組みの
「外」にあるものに対し
違和感や居心地の悪さを
感じるようになることがあります。
まるで、共同体の枠組みの中の
特定の「常識」が
絶対であるかのように
感じられてしまうのです。
しかし、閉鎖された共同体が
閉鎖的になって
外部との交流を断ってしまうなら
それは共同体の脆弱さを
招くことにも繋がります。
新しい視点や刺激が
取り入れられないことで
内部の停滞や腐敗を招く
リスクも伴います。
大きな歴史の変化の波によって
外部からの侵入が
起こる場合もあるでしょう。
そうした事態を招く前に
勇気をもって
みずからの属する共同体にとって
「異質なるもの」に接近し
接触を試みることは
共同体の強固な「枠組み」に
「新しい風」を
吹き込むことにもなり得ます。

それは初めは
大きな「恐れ」を
伴うことかもしれません。
けれども積極的に異文化との交流や
新しいアイデアを受け入れることは
個人の適応力を高めると共に
共同体をより豊かにし
持続可能な発展へと
導くことにもなるでしょう。
それは、山羊座が目指す
堅実な目標達成に対し
柔軟性と広がりをもたらすことに
もつながるのです。
新しい年へ
警戒心の無さから
不名誉な名前がつけられた
「アホウドリ」ですが
実際には
大洋上を長距離飛行する
強靭さを持ち
大きくて優美に
羽を拡げて飛ぶ姿から
「沖の太夫」という
別名も持ちます。
奇しくもこちらのシンボルは
「大晦日」つまり12月31日前後の
太陽のサビアンとなっています。
私たちも、来たる新しい年には
彼らに見倣って
「こじんまり」した
セルフ・イメージを克服し
大きくて青い空と
美しく碧い大海原へと
優美な羽を拡げ
飛び立ってゆきたいものですね!
