蠍座30度「ハロウィンのわるふざけ」*<絶対的価値観>からの解放
深く静かな蠍座の水の世界を旅してきた魂が、 ついにその最終地点に到達します。これまで自分と深く同化していた サインの力を外に吐き出すのが30度。これまで「正しい」と信じてきた価値観や、属してきた集団のルールから、そっと離れていくタイミングです。けれども「水」という情感で共感していた強い絆を断ち切るのは容易なことではありません。そのためこの度数では、大切な関係性、絶対的に思えた価値観を、茶化したりすることで、脱出口を見い出そうとするのです。
蠍座30度を太陽のサビアンシンボルに持つ可能性のある方:
メンタリストDaiGo氏
倍賞 美津子氏(女優)ビリー・ジーン・キング氏(テニスプレーヤー)
シャルル・ド・ゴール氏(第18代仏大統領。ナチス政権に抵抗)
ジェイミー・リー・カーティス氏(女優「トゥルーライズ」「ハロウィン」)
テリー・ギリアム氏(監督「未来世紀ブラジル」)
アンドレ・ジッド氏(作家)
解放への秘密の通路
一つ前の蠍座29度では
これまで自分がどっぷりと関わっていた
蠍座の権威性や支配力から
いざ抜け出そうとしても
案の定強く引き止められ
自分自身も情にほだされて
執着を手放せず
なかなか見切りをつけることが
できませんでした。
ですがもうサインは30度…
「待った」と言っている余地はありません。
ですのでこちらの度数では
少し乱暴で無礼な手段を講じます。
それは今まで信望していた
共同体の価値を「悪ふざけ」的に
下落・転倒を図る方法です。
例えるならば、それは「ハロウィン」。
娯楽的・お祭り騒ぎ的な
「ホラー」の扮装や
遊び的ゲーム的な形で
緊張からの解放が始まります。
仮面の下に真の自己を隠して
深く関わっていた人・ものの
影響力や束縛から逃れるためには
あたかもこれまで
真剣に取り組んでいたことが
ばかばかしい…とでも言うように
これまで自分が大切にしていた
シリアスな関係そのものの
「価値」を否定し
地に落とさなければなりません。
これまで真剣に関わっていた関係を
冗談に変えることは
こころに痛みや虚しさも
漂うかもしれません。
けれどそんな「痛み」さえ
「悪ふざけの扮装」の
<仮面>の下に
覆い隠してしまうでしょう。

「神聖なもの」を「俗なるもの」へ
そうした誇張的・歪曲的な表現法は
ある意味とても激しい
「発散」のエネルギーです。
それは次のサインである「射手座」
= 【火のエレメント】の躍動感が
影響しているのかもしれません。
これまでの<人と人との絆>という
「美しい情感的な物語」さえ
「悪乗り」的な「冗談」で
片づけてしまうことで
「射手座」という<自由の領域>へ
進もうとしているのでしょう
けれどもそうした激しさも
重くて深い
蠍座の関係性のエネルギーから
魂を引き剥がすためには
必要な力なのでしょう。
笑いも鋭利な刃となり
かつて自分にとって
「神聖だったもの」を
「俗なるもの」へと変容させる
錬金術となります。
まさに蠍座の支配星、
冥王星の象意が
「破壊と再生」であるように
破壊の中にこそ
次への扉が 開かれるという
逆説的な真理を
体現しているのかもしれません。

“絶対”から自由になるとき
ここで考えてみたいのは
このシンボルの本質は
これまで信望していた「神聖な」
「絶対的」な「価値」であった
「集団の掟」や
それに<紐づけていた>
自分の内側に潜む「思い込み」を
いったん“ご破算”にしていく
過程であることです。
蠍座28度で「自分の本質」を見つけた人は、
それによって
「もう以前の集団の
価値観には馴染めない。」と
こころの奥で感じながらも
次の蠍座29度では
「新しい世界へと旅立つ意志」と
「今までの場所への未練」の間で
引き裂かれることになります。
その葛藤の痛みが
“涙の度数”と呼ばれる所以です。
そして――蠍座30度では、
その苦しみの元になっていた
思い込みと価値観そのものが
溶け出してゆく のです。
蠍座は深い結びつきを象徴するサイン
だからこそ、集団の価値観や
「正しさ・間違い」
といった“絶対性”に
囚われやすくなります。
けれど30度では
その世界観から一歩外に出ていきます。
- 集団の価値が絶対とは限らない
- 自分の思い込みも絶対とは限らない
その気づきが、蠍座の旅の最終段階で訪れます。
ハロウィンの“悪ふざけ”は、
まるで「かつてのしがらみ」を
冗談に変えるようなもの。
敬っていた価値観も
背負ってきた思い込みも
ひと晩の祭りのように
“ひっくり返す”ことで
手放して ゆくのです。

それは自分の中に
抑圧されてきた“影”を意識的に解放し
心の奥の重さを外へ流すことで
「軽く」していくという
とても深いヒーリングである
とも言えそうです。
同時に「慣れ親しんだ世界」
愛着や<怒り>、
ひとり旅立っていく哀しみも
手放していくのです。
グレーを許せたとき、心は自由になる
ここで<怒り>とは
「私が正しくて、相手が間違っている」
と固く握りしめているときに
生まれる感情であると言えそうです。
引き止める相手の論理
引き止められる私の心情
そこに「相容れなさ」を感じる時
実はそこには
「自分なりの解釈」が横たわっています。
「正しい」のは誰なのか?
そうした「白と黒の思考」は
時に私たち自身を
追い詰めることがあります。
けれどここで思い出すのは
漫画家、萩尾望都さんの
『城』という作品です。
“白だけで城をつくり、
裏側は空っぽの人”
“黒だけで城をつくり、
裏側は純粋な真っ白の人”
そして
“白と黒の両方で、
グレーの城を築く人”
が描かれています。
どちらかが正しく
どちらかが間違っているのではなく
両方をそのまま認めるという在り方。
白も黒もあっていい。
その間のグレーに立てたとき、
心がやっと呼吸を取り戻すことを
教えてくれている作品です。
「闇のエネルギー」のゆくえ
けれどもう一つ、萩尾望都さんの作品に
『偽王』というものがあります。
完璧に「美しい国」の裏側にある
<毒出しの祭り>が描かれています。
その国の「王」は数年に1度、
「完璧な秩序に彩られた美しい国」の
<負の側面>を背負わされ
砂漠に追放されます。
「城」では「真っ白だけ」で
象徴されていたような
「完璧に美しい秩序」を保つために
「排除された影」を
引き受ける仕組みが
予め設けられていたのです。
ある意味「ハロウィン」も
また古来からある
幾つかの「祭り」にも
そうした
「秩序の中で抑圧された闇」を
安全に外へ流す…という
意味のものがあると言えそうです。
「ハロウィン」の仮面をつけ
知性や体面・人格を隠して
無礼講に羽目を外し
冗談めかして騒ぐイベント…
それは古来の
そうした「祭り」に通じる
無意識の中に溜まった
<負のエネルギー>のはけ口―
言わば
“影のエネルギー”を
安全に解放する儀式です。
文明という「絶対的価値」に従う中で
自然と生じる「欲求不満」の
心の毒抜き、ガス抜きのための
安全装置であると言えるかもしれません。

蠍座30度とはまさに、そうした
影のエネルギーを外へ流し、
心を浄化する“儀式の場”
を象徴しているのだとも言えるでしょう。
ですので私たちは
このシンボルのエネルギーを
「自分自身の中の負の側面を解放する」
という形で
建設的に使っていくことが
求められるでしょう。
そのためには
心にたまった怒り・悲しみは
これまで自分が
「絶対」を握りしめていたことに
気が付くこと。
誰かの価値観に従わなくてもいい。
自分の思い込みに縛られなくてもいい。
白も黒もあっていい。
それに気づき、乗り越えることで
私たちは射手座という
“新しいサインへの旅”を
始めることができます。
ですので、どうか
こちらのシンボルを
ネイタルチャートにお持ちの方
また強調されるシーズンには
<今のあなた>の感情を
そのまま、抱きしめてあげてくださいね。
蠍座30度「ハロウィンのわるふざけ」FAQ
Q1: 蠍座30度を持つ私の魂の使命と人生の目的とは何ですか?
A: これまでの深い関わりや
強固な感情的な絆
あるいは権威性や支配力といった
重く粘着質なエネルギーからの
解放を促すことです。
シリアスになりすぎた
関係や価値観を
「悪ふざけ」「冗談」といった
遊びの形で茶化し
無意味化して
次なる自由への段階へ
移行するための出口を作ることが
あなたの魂の重要な使命です。
Q2: 蠍座30度を持つ私の最大の強みと注意すべき傾向は何ですか?
A: どこかあっけらかんとして
パワー溢れるあなたの
最大の強みは
重苦しく沈んだ雰囲気さえ
ユーモアという「魔法のような話術」で
一瞬にして明るく変えることができる
道化師的な才能です。
また、変化を恐れない
強烈な解放の力を持っています。
注意すべき傾向は
その「冗談の刃」が
毒舌になってしまう危険性です。
解放のための「悪乗り」や
「無礼」が過ぎてしまい
周囲からひんしゅくを買わないよう
遊びと無礼の境界線を
見極める知恵が求められそう。
Q3: 蠍座30度を持つ私の魂の目的を果たすための最適なキャリアは何ですか?
A: 人々が抱えるストレスや
抑圧された感情を
安全な形で「ガス抜き」し
解放感を与えるような仕事です。
エンターテイメント業界
(コメディアン、パフォーマー、
脚本家など):
笑いを通じて人々の緊張を解き
社会的なタブーを風刺する。
セラピー・カウンセリング関連:
重いテーマや問題に対し
ユーモアや皮肉といった視点で
状況を転倒させクライアントを救います。
広報・広告業界:
硬直したイメージや権威性を
巧みに茶化し
人々の心に響くような
革新的なメッセージを生み出します。
Q4: 自己成長のために、蠍座30度のエネルギーをどう活用すべきですか?
A: あなたの中に芽生えている
「射手座の自由への躍動感」を信じ
これまで真剣に向き合ってきた関係や
価値観の中から
手放すべきものを見極めることです。
「仮面」の儀式的な力を使い
体面や人格を一時的に放棄することで
無意識に溜まった負のエネルギーを
安全な空間で発散し
次の段階(射手座)への
準備を整えましょう。
Q5: 蠍座30度の変容の力を体現しているのは誰ですか?
A: この度数の力を体現しているのは
「暗闇に光を灯す道化師」のような人物。
権威的なものや
シリアスなものを恐れず
ユーモアと皮肉、そして
「悪ふざけ」をもって
状況を一変させる才能を持つ人が
この変容の力を体現しています。
重い状況に囚われた人々にも
「深刻になりすぎる必要はない」という
強烈なメッセージを
笑顔と共に届けることができる存在です。
例)メンタリストDaiGo氏
(テレビタレントから
YOUTUBERに転身し成功。)
例)ビリー・ジーン・キング氏
1960年代から80年代初頭
女子テニス界に君臨した
伝説のテニスプレーヤー。
自身で女子テニス協会を創設、
トーナメントを開始。)
例)テリー・ギリアム氏(映画監督)
『バンデットQ』『未来世紀ブラジル』
『バロン』の「3部作」の共通テーマは
「ぶざまなほど統制された人間社会の狂気と
手段を選ばずそこから逃げ出したいという欲求」である
と述べています。(Wikipedia)