天秤座16度「流されてしまった船着き場」*試練を経て新たな自己を再生する
10月9日前後の太陽のサビアン。人間関係に振り回され、判断の付かなくなる状況に追い込まれ、自己のバランスを失ってしまう…。この方はそのような体験に敢えて身を投じることで、より深い「人間理解」に到達されることでしょう。
天秤座16度を太陽のサビアンシンボルに持つ可能性のある方:
ブルーノ・マーズ氏(歌手。デビュー曲1250万DL。グラミー賞15冠)
マット・デイモン氏(俳優、脚本家。映画「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」)
シガニー・ウィーバー氏(女優。映画「エイリアン」)
マックス・・フォン・ラウエ氏(物理学者。X線解析によりノーベル賞受賞)
アルフレッド・ドレフュス氏(映画「オフィサーアンドスパイ」の冤罪事件)
「人と人」とに架けられる橋
こちらのシンボルはルディア氏版では
「嵐のあとに船が修理を必要として陸に上がっている」
です。
さて、先日の台風で
昔住んでいたところの近くの
川の橋が
流されてしまったと聞きました。
この橋は
実は過去にも
幾度も台風で流され
そのたびに
新しく建造されてきたそう。
「橋」とは地域と地域と繋ぐもの
ひいては人と人とを繋ぎます
そんな橋が流されてしまうと…
他人とのコミュニケーションの手段が
いったん壊れる…
ともイメージできます。
それが人間関係であれば
何かそこに
「価値観の合わないもの」「違和感」を感じ
いったん交流を遮断する。
それは、何のために?
それは
「自分にとっての大切なこと」を
もう一度見つめ直すために。
天秤座は時に
「わたし」を抑えてでも
「あなた」と協調する星座。
他者との交流の中で
いかに自分の言動や振る舞いを
洗練させ
そこにいる人々が、
あるいはパートナーが
気持ちよく過ごせるかに
気を配るサインと言えます。
それが行き過ぎると
ある意味
「場の空気」を気にして
本当に自分が
「感じていること」を
表現できなくなって
しまうこともあるでしょう。
そんなサインの「行き過ぎ」を
調整するのが16度。
サビアン・シンボルでは
第4グループの始まる16度~は
対向のサイン(星座)の影響が
流れ込んで来る度数とされます。
反対側のサインの資質が流入することで
サインのエネルギーを
精一杯頑張っていたところに
そのままの流れで固まってしまわないで…と
いったん壊してみる
<第4グループ>の始まりです。
「あなた」「あなたがた」と
共に歩もうとする
<天秤座>の向かいには
”素のままの「わたし」あるがまま”
であろうとする
<牡羊座>が鎮座しています。
だからこの16度では
「牡羊座」のエネルギーである
「自分を貫くような意志力」に
もう一度、目覚めよ、と
促されているよう…。
その「目覚め」とは…?
牡羊座が
「自分から打ち出してゆく自分」なら
天秤座は「他者から見た自分」
「他者から見た自分」と
「自分が捉えている自分」との調整
=バランスを取っていくことが
<第4グループ>からの
天秤座のテーマかもしれません。
「向こう岸」からの影響
それはまるで牡羊座の支配星*火星が
穏やかな天秤座の川面の水面に
竜巻を投げ込まれたかのよう
激しい嵐に海がうねり
順調に航海していた船は
目指すべき港=目的地が
わからなくなってしまったのです。
場の「調和」を重視し
バランスの取れた行動で
そこにいる全員を大切にしながら
エレガントに振舞っていた天秤座✨
…、な、なのに…
なんてことでしょう!
「わたしはこうしたいんだ!だから、する!」と
主張しまくる人がやって来て
(天秤座から見れば)
傍若無人(ぼうにゃくぶじん)=つまり
傍(かたわ)らに人無きが若(ごと)し
に振舞うひと…。
あちこちの「空気を読んで」
気遣い心遣いを尽くしてきた天秤座ですが
そんな人が現れてはもう、
にっちもさっちもいきません。
例えば…
Aさんが○○と言っているから
→→○○にしよう。と思った。
なのにBさんには△△の方がいいでしょう。
と言われると…
→→う~ん、やっぱり△△にしようかな。
え、でもCさんは
××と言っている…。
→→やっぱり××の方が良い?
なんて
ますます何を選んだらいいのか
わからない…
2020年【風の時代】に入り
溢れる情報(=【風のエレメント】)の中
天秤座の方に限らず
日々こんな惑いをご経験されている方も
多いのではないでしょうか?
また時代の変化と共に
「今まで当たり前で
揺るぎなかったこと」が
「当たり前」でなくなり
「社会の常識」に照らし合わせるより
「自分自身で判断」
しなくてはならない場面も増え
そんな中「じぶん」が定まらず
振り回され
右往左往してしまう…そんな方も
多いのではないでしょうか?
そんな時こそ
こちらのサビアンシンボルを
思い出して頂きたいのです
「自分の中の牡羊座」に立ち返って
「ほんとうは自分はどうしたかったか」
を見つめてみることを大切にしてみることを。
変化と再生
このように、こちらのシンボルを
ネイタルチャートにお持ちの方
また強調されるシーズンには
安定していたはずの場所や状況が
外的な力によって動かされ
予期せぬ変化や混乱にみまわれる
そんなご体験をされるかもしれません。
そのような時には
あたかも、係留されていた港や船着き場が
強風や潮流で流されてしまった船のように
不安定さと喪失感を感じられることでしょう。
安全だと思っていた
人間関係や生活の基盤が
自分ではコントロールできない
外的な力や環境の変化に
押し流されていく…
けれどもこのシンボルのパワーは
そうした体験を通して
<新たなバランスと調和>を
きっと見出すことができる
そんな成長を促しているのでしょう
予期せぬ変化や喪失による
心理的な不安定さを乗り越えて
いかに再び自分の居場所やバランスを
取り戻すことができるか…
対向の恒星
こうした天秤座16度のテーマに
とても良く似た恒星があります。
それはちょうど天秤座16度付近の
180度対向の牡羊座にある
「くじら座」の恒星バテン・カイトスです。
この恒星は
「強制的な移動、変化」
「強制的な災害や事故による不運」
「船の難破、救出」を象徴するとされています。
アメリカの著名な占星術師である
ダイアナ・ローゼンバーグ氏は
この星のもたらす 「試練」を
人生における「人生の大転換期」と主張しています。
衝撃的で意外な出来事に巻き込まれながらも
それらを経て人は自分の限界に打ち勝ち
劇的な変化や自己の再構築
新しい自己認識を獲得するプロセスをもたらすもの
としています。
彼女は著名人の例として
アル・ゴア元副大統領の例を挙げています。
ゴア氏はこの星の影響下にあるため
大統領選で敗北し「人生の難破」を経験しましたが
その経験がやがて
環境問題のスピーカーとしての再生をもたらし
新たな使命を果たした、と言っています。
(参考記事)
困難を乗り越えるために自己に向き合う
このような人生の困難に直面したとき
私たちがまずすべきことは
人生の不安定な局面や
予期せぬ状況を呑み込み、
受け入れること、でしょう。
そして次に試みるべきことは
自己理解を進めること…
ではないでしょうか。
何故なら目の前に起こる出来事
現れる人物は
必ず私たちに
私たちが「内面に抱えているもの」を
映し出し
気付かせるために現れてくる…とも言えるから。
だから「船着き場」が
流されたように思われた時には
それはもしかすると
「古い思考や考え、思い込み」が
もう既に私たちの人生で
役立たなくなっていたことを知らせ
新たな気付きと教訓を得ることで
「新しい船着き場」でシフトする
チャンスの時でもあるのではないでしょうか。
流されてしまった状況に
ただただ翻弄されるのではなく
「自分の内面」に向き合い
そこにあるものを見つめてみる。
そこからまた
自分自身という<人生の舵>を
手に取り直すとき
「再出発」のための
「新しい船着き場」は
きっと目の前に現れてくることでしょう。
けれどそのためには
いくつかのステップを踏む
必要もありそうです。
それがサビアンシンボル天秤座の
<第4グループ>で
表わされているのだと思います。
さあここから順番に、見てゆきましょう。