水瓶座21度「絶望し幻滅した女」＊高次の目的に向かい集中する
2月10日【水瓶座新月】の太陽のサビアン。これまでの人生、あなたにもきっと、いろいろなことがあったと思います。失敗も失望も…けれども私たちは今も「何かを欲して」ここに立っています。このシンボルはそんな「何か」を願って葛藤している、ひとりの女性が描かれています。「エゴ」を手放し「ストイック」を徹底してでも…彼女が手に入れようとしているものは？
「ストイック（禁欲的）な」女性
こちらはルディア版では
水瓶座２１度
「一見空しいとも見える人生に
果敢に立ち向かう、絶望し、幻滅した女性」
となっています
そうここには
「じぶんを超えた大きな目的」のために
「奉仕」していこう…
そう決心した女性が
登場しています
彼女は
「自分だけの幸せ」を満たすより
もっと「大きな目的」のために
すべてを投げうってもいい…と
そのために必要な
仕事や義務を果たすため
とってもストイックに
「自分がなすべきこと」に
粛々と集中しようとしています
周囲からの要求にも
すべて完璧に応えようとして
無理をしがちとも言われます
「一角獣種」
私が思い出したのは
漫画家
萩尾望都さんの作品
「A-A’」
「一角獣種」
という種族が登場します
髪にメッシュの入った人物像は
その後萩尾さんの作品で何度も登場します
この「一角獣種」は
遺伝子操作？で
つくられたものだったと思います
（違ってたらごめんなさい）
「効率的に仕事をこなす」ために
妨げとなる「感情」を排して
ロボットのように
黙々と作業をこなせることに
特化した種族です
ですから
辺境の星々の過酷な環境でも
余計な感情に邪魔されることなく
せっせと職務をこなせます
けれども
いろいろ物語が進んでいくと
彼らは
「感情が無い」のではなく
「感情を表現する術を知らない」だけで
顔に現れなくても
涙を流さなくても
ちゃんとストレスを感じていたことが
判明していきます
そして
最後は「涙を流す」シーンで終わります
「こころ」は「邪魔なもの」？
今回の水瓶座21度のこの女性は
この「一角獣種」のように
黙々と淡々と
目的に向かって
作業をこなそうとして
「感情」や
「身体の負担」も
「邪魔なもの」と
考えているようです
そして目的を果たそうとするとき
自分の目標とする作業量を
達成できないがため
そのことに反抗しようとする
自分の中の気ままな資質
にガッカリしているのです
個人的に幸せな生活をしたい
そのためには
個人のテリトリーを作り
十分に満足のいく条件を整えたい
そんな
誰もが思うような願望が
まだ自分の中に
生き残っていること自体に憤慨し
自己分裂しているのです
（松村潔先生「愛蔵版サビアン占星術」）
個人 VS 社会
人は皆心の中に
「美味しいものを食べて
素敵な服を着て
キレイな家に住んで…」と言った
「金星的な願望」と
「理性的に自分を律して
理想的な人物になりたい」
という
「土星的な願望」とが
対立しています
いわば「個人的な願望」
VS
「社会的な願望」
の間で分裂している…と言えそうです
けれども彼女は
個人的な感情が
「絶望」し「幻滅」しても
仕事や公的な大きな目的のために
一心不乱に働こうとしています
それは彼女の中に
「理想的な完成された人間」
になろうとする
強い意志があるから…
このサビアンをネイタルチャートにお持ちの方
また今回の水瓶座新月のように
強調されるシーズンには
敢えてこの「日常的な願望」を
犠牲にしても
「大きな目的を達成しようとする意志」に
フォーカスすべきとき
と言われているようです
脳の「三つの欲求」
彼女の中で分裂している
「欲求」は
私たちの脳の構造にも現れています
「爬虫類脳」とも言われる
「脳幹などは
「生理的欲求」を司る部分であり
＊食欲
＊性欲
などの
「本能的な欲求」に関与しています
また「古い脳」と言われる
「大脳辺縁系」は
「基本的な感情」を司ります
「新しい脳」と言われる
「大脳新皮質」は
「社会的な欲求」を司る部分であり
＊自己実現
＊社会的評価
＊抽象的な欲求（例えば美的な満足や知識欲など）
に関与しています
マズローの「欲求五段階」説
こうした人間の欲求を
人間の成長の度合いとしてまとめたのが
マズローの「欲求五段階説」です
著書「人間性の心理学」の中で提唱され
「ヒューマニスティック心理学」に
分類されています
それ以前の心理学に比べ
より人間らしさに注目した心理学とされます
その1： 生理的欲求（Physiological Needs）
最も基本的な欲求で、
食事、水、睡眠など
「生存に必要な要素」が
満たされることを望みます
これらの欲求が満たされないと、
「生理的な不快感」や
「ストレス」が生じます
その２：安全の欲求（Safety Needs）:
１の生理的欲求が満たされたあとは
「安全と安定」の欲求が出てきます
これは、
「身体的な安全」だけでなく
＊仕事
＊健康
＊財産の安定
などが含まれます
いわば「生きるベース」が
安定するということですね
その3. 社会的欲求（Love and Belongingness Needs）
人間は「社会的」な動物であり
ひとりで生きていくことを望みませんし
できません
「他者との関係つくり」や
「愛情の欲求」を持っています
家族、友人、恋人、仲間…などとの
つながりや愛情が築かれることで
この欲求が満たされます
また「何らかの社会的集団に所属している」
という感覚を満たしたい
「帰属の欲求」もこれに含まれます
その4 ：承認の欲求（Esteem Needs）
「他者からの評価」を重視し、
「尊敬」や「認められること」を求めます。
＊成功
＊社会的ステイタス
＊地位
＊名声
などが含まれます
このる4番目の「承認欲求」は
さらに「低位」と「高位」の
2つの側面があるとされています
A： 低位の承認欲求
「他者」からの肯定や評価、所属意識など
例えば
＊仕事や学校での成績評価
＊友人や同僚から賞賛…など
B：高位の承認欲求
「自己」の価値観や目標に基づいての「自己評価」
つまり「自分が自分に満足できているか」
という「自分が自分につける点数」のようなものです
自分自身の「内面的な満足」や
「自己承認」が重視されます
ここで大切なのは
「自分の価値観」や
「自分の目標」です
それに向けての行動を通じて
自己実現を追求し
自己承認を得ることで
承認欲求が満たされます
その5. 自己実現の欲求（Self-Actualization Needs）
最高次元の欲求であり
「自己実現」や
個人のポテンシャルの最大限の発揮を意味します
創造性、個性、目標達成、成長などが含まれます
４の「高次の承認欲求」で基盤となっていた
「じぶん自身の価値感」や「世界観」
「じぶんのあるべき姿と考える理想の姿」を
実現する段階です
つまり
「理想の自己像」と
「現実の自分自身」との
「一致」が達成されること
と言っていいでしょう
「自分にしかできないこと」で
「自分らしく生きたい」という欲求も
ここに含まれるでしょう
以上の「マズローの「欲求五段階説」は
低い段階の欲求が満たされることで
次の一つ上の段階の欲求を満たしたい…と
考えるようになるとされます
水瓶座21度の女性の「欲求」とは
以上からこの女性は
「爬虫類脳」を言われる
「脳幹」が司る「本能的欲求」
つまり
マズローの「五段階欲求」で言えば
その1： 生理的（本能的）欲求
その２：安全の欲求
ではなく
もっと上のレベルの「欲求」を
満たそうとしているとわかります
それでは
「哺乳類脳」と言われる
「大脳辺縁系」が司る
その3. 社会的欲求
仲間意識、愛情といった
ものを求めているのでしょうか？
単に「仕事をサクサクこなして
みんなから認められたい」
ということであれば
そうかもしれません
それは
その4 ：承認の欲求
のうち
A： 低位の承認欲求
にあたる
「他者」からの肯定や評価、所属意識など
も含まれるでしょう
けれども、私はきっとこの女性が求めていたのは
その4 ：承認の欲求
のうちの
B：高位の承認欲求
「自己」の価値観や目標に基づいての「自己評価」
以上のもの…
その5. 自己実現の欲求
を求めていたと思います
「人間脳」とも言われる
一番新しい部分
「大脳新皮質」が司る部分でしょう
マズローの「第６の欲求」
けれども
この女性が抱える「絶望」とは
それだけでは
説明しきれないようにも感じます
私が一番ピッタリくると思ったのは
マズローが晩年になってから
提唱されたとされる
「第６の欲求」です
（マズローではなく他の研究者が加えたとされる説もあります）
それは
「自己超越の欲求（Self-Transcendence）」
と言われるものです
「自己超越の欲求」は
個人が自己の枠組みや利益を超えて
他者やより大きな目的や価値観に貢献したい
という欲求とされます
「他者や社会全体への貢献」です
水瓶座は「普遍」を目指すサインと言われます
「普遍」とは
「あまねくいきわたること」
を意味します
それは
水瓶座1度のサビアンシンボルにも
象徴されていると思います
ただマズローは
下位の「欲求」が満たされることで
上位の「欲求」へと向かう
と述べていますが
この水瓶座21度の女性は
じぶん自身の個人的な
「下位の欲求」が満たされなくても
「上位の欲求」
つまり
「他者への貢献」
「社会全体が良くなるための貢献」
「未来の社会や人々が良くなっていくために
今わたしができること」
に集中したいと願っているようです
何故この女性は
そんなにもこの「自己超越の欲求」を
願ったのでしょうか？
金子みすゞの詩から
そこで考えてみたいのは
今から100年以上も前の
明治時代に
水瓶座21度の女性が抱いたような
「理想」を掲げた
…と言えそうな
ひとりの女性です
それは
最近になって
大変注目が高まっている詩人
金子みすゞさんです
けれども
あまりにもその感性は
時代に早すぎたのか
存命のうちに
広く認められることはなく…
何と没後半世紀も
人々から忘れ去られた後に
復権を遂げたのです
けれども彼女は
可愛いらしい詩からは
想像できない
壮絶な人生を送ったのち
26歳で自死されています
まさに「ネガティブな男性性」
優位の社会に
打ち砕かれたかのように…
けれども
「個人的な幸福」が
叶えられたとは言い難い
その生涯のうちに遺した
金子みすゞさんの
数々の詩は
本当に心を打つものがあります
「私と小鳥と鈴と」
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のやうに、
地面を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
それは
「すべての人がみな平等に個性を認められる」
そんな世界…
まさに水瓶座の目指す
「自由・平等・博愛」の世界を
歌ったような詩と思います
水瓶座21度の女性が望んだもの
さて
ここでもう一度
水瓶座21度の女性が
「望んだもの」について
考えてみたいと思います
この水瓶座21度の女性の
人生の背景には…
もしかしたら
幸福だった子供時代が
あったかもしれません
そして結婚して
子供にも
恵まれていたかもしれません…
けれども
そうやって人生を送ってくるうちに
自分が思い描いていた理想とは
何かがかけ離れている…
そんな体験をしたのかもしれません
今は夫も子供も彼女の元を離れ
孤独な毎日を
送っているのかもしれません
晩年のみすゞのように…
けれども、ですよ…
もしも彼女の人生が
１８０度違っているもの
だったとしても…
恵まれない子供時代を過ごし
結婚もせず
子宝にも恵まれず…
それでも彼女は
今この瞬間まで生きてきた
そう
私たちの
「人生のストーリー」が
どんなものであったとしても
ひとはやはり
「何か満たされなかいもの」を抱え
今ここに
立っているのではないでしょうか？
それでも私たちは
今この瞬間まで
生き続けて来たのではないでしょうか
だから
私たちの「人生のストーリー」が
たとえどんな物語であったのだとしても
私たちには
そのそれぞれの人生から
湧き出てきた思い、
を手にしているのだと思います
自分の人生が
例え「すべて望みどおり」
でなかったとしても
生きてきた中で
培われてきた
さまざまな感情や思い
その感情や思いは
「自分のように
辛い思いをする人を増やしたくない」
とか
「”誰かのために”力になりたい」
とか
「こんな世の中をつくりたい」
とか
「”次世代の子どもたちのために”
こんな世の中をつくりたい」
とか
「もっと多くの人が
暮らしやすい世の中をつくるためには
どうしたらいいのか」
など…
誰かの力になりたい
助けになりたい
次代を生きる人びとのために
少しでも力になれるなら…
どこかでそんな風な
「自分を超えた次のサイクル」のために
自分が何か「できること」を
探し始めるのではないでしょうか？
その時初めて
ひとは
自分の満たされなかった思いも感情も
もうそこへはフォーカスしないで
「自分ができること」のために
全てを捧げよう
そんな心境に至るのではないでしょうか
…そう
それがこの
水瓶座21度の女性なのではないかと
私は思います
「今まで」、そして「これから」
それは
「こころの浄化」
とも言えると思います
恐らくここ数年
2011年の震災や
2012年12月21日のマヤ暦の切り替わり
2016年からのいろいろな「揺さぶり」があって
2017年から私たちは
新たなサイクルの「1の年」に入りました
2020年からのコロナの始まりと終わり
そして迎える
2024年は「完成」の「8の年」
2025年は「手放し」の「9の年」へ
この間
「今まで蓋をしていた自分の気持ち」に
向き合った方も多いと思います
向き合って、認めて
初めて
手放すことができた
そんな感情もあったと思います
けれども
まだガラガラと後ろに引いている
旅行カート
キャリーバッグの中身には
「幻滅」し
「絶望」したままの
あなたの心が入っているかも…？
わたしはまだ
何にも
「貢献」できてはいないではないの、と…
けれども
このサビアンシンボルで
太陽と月が重なる
水瓶座新月からは
きっと
それすらも手放して
前に進んでいく
何故ならあなたのカバンの中には
同時に
決してあきらめることのない
「望み」
「自分を超えた次のサイクル」のために
あなたが「できること」を行うという願望
それだけは
諦めきれない
はずなのです
あなたが次代へ
繋いでゆきたいもの
残してゆきたいもの…
植物が自分の一生を
「種」という次のサイクルへ
送り込むように…
あなたの「今まで」から
生まれた新しい目標を
きっと成し遂げるために…
それはあなたの
「人生のストーリー」に
隠されていた「魂のテーマ」
と言えるかもしれません
「一見空しいとも見える人生
に果敢に立ち向かう、
絶望し、幻滅した女性」は
「自分を超えた」
「自己超越の欲求」を満たすため
「本能的欲求」も
怖れや不安
自分への諦めや失望と
そういった「感情」さえ
乗り越えて
まっさらな気持ちで
ここからの新しいストーリーを
つくっていこうとしているのかも…
そう
地球はいま【風の時代】へ移行し
新しい風に
乗ろうとしているのですから
だから
こちらのシンボルは
「もう一度、新しい気持ちで
出直してみよう」
…そんな
✨「再出発」✨
を表しているシンボルとも
考えられると思うのです
ですから
このシンボルが強調されるシーズンには
少しだけストイックに
本能的な欲求や
感情に一喜一憂せずに
「あなたが成し遂げたい大きな目的」
にフォーカスされてみては
いかがでしょうか…？
最後までお読みいただき
ありがとうございます
サビアン・シンボルは
ホロスコープ
３６０度の１度ずつにあてがわれた
アカシック情報とも言われる詩文です
「新しい時代」に備え
サビアンシンボルで
「天体のリズム」に
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