山羊座7度「力のあるベールに隠れた預言者」*察知し、予見する力
12月29日前後の太陽のサビアン。山羊座7度は神秘的で深遠なイメージを持つシンボル。山羊座という現実的で堅実な星座の中に、預言者という神秘的な要素が組み込まれることで、物質世界と精神世界の架け橋となる役割が与えられているとも考えられます。ベールに隠れているという表現は、表面には現れない内なる力と叡智を表します。自己の力を誇示するでなく、謙虚に内に秘めながらも、必要な時に的確にその力を発揮する役割を意味していると思います。
目に見える世界と見えない世界の橋渡し
「力のあるベールに隠れた預言者」は
目に見えない世界と
現実世界の境界線に立つ存在の象徴です。
単なる精神性の追求ではなく
集団や地域社会の深層に流れる
集合的無意識を感じ取り
それを言語化する
特別な能力を持つ人物像です。
山羊座の論理的思考や
未来の動向を予見しながら
戦略的に行動するといったチカラ。
直感や感覚の両方を
活用する力…が浮かびます。
「ベールに隠された力」とは
なぜこの預言者は
「ベールに隠れている」のでしょうか。
預言者という象徴は
単なる未来予知ではなく
洞察力と直感によって
物事の本質を見抜く能力を表します。
ベールに隠れているということは
そうした力を
軽々しく見せびらかすことなく
適切な時と場所で発揮する
賢明さを表しているのでしょう。
それは、この力が直接的で
攻撃的な形では
現れないことを示しています。
むしろ、静かで内的な、
しかし揺るぎない
強さとして存在します。
組織や集団の中では
表舞台よりも裏方で支える役割や
調整役を得意とするかもしれません。
表立って自己主張をするのでなく
けれども
目立たないポジションであっても
影響力を行使する能力に長け
静かに、しかし着実に
周囲を導いていく
リーダーシップを発揮するでしょう。
表面的には見えにくいからこそ
その影響力が深く、長く続くのです。
見えないものを捉える力
(山羊座6度から10度の)
第2グループは
「サインの感受性や知性のあり方を育てる」
サイクルにあります。
山羊座においては
それは「人のこころを掴む力」や
「包容力」などを意味します。
(松村潔先生「愛蔵版サビアン占星術」)
こちらのシンボルを
ネイタルチャートにお持ちの方
また強調されるシーズンには
周囲の意向を吸い上げる
謙虚な姿勢を保ちながらも
目先の利益や評価に惑わされずに
長期的な視野を持って
未来を見据えた行動をすることが
求められるでしょう。
社会という大きな枠組みの中で
時どきの自分の立ち位置を理解し
適した形を見極めて
貢献していくことが
大切となってきそうです。

自分の直感や洞察力を信頼し
それを実務的な行動に
落とし込んでいくことで
周囲からの信頼を
獲得してゆくでしょう。
派手に表立つことが無くても
日々の努力を重ねる姿勢が
成功への道と言えそうです。
その中で
自己の内面を深く見つめ
精神的な成長を
遂げてゆかれるでしょう。
けれども、ここぞというときには
表に出ることを恐れずに
勇気をもって
ご自身の考えを
伝えていかれてくださいね。
実践的な活用へ向けて
現代社会において
このシンボルが示す資質は
ますます価値を増しています。
情報が溢れ
変化が激しい時代だからこそ
本質を見抜く洞察力と
集団の深層心理を言語化し
適切なタイミングで行動する
賢明さが求められているのです。
それは、コミュニティリーダー
心理カウンセラー
文化人類学者
組織コンサルタントなど
様々な形で活かすことのできる
力でもあります。
- 集団の無意識的な願いを代弁する能力
- 見えない心理的な流れを読み取る感受性
- 言葉の力で人々を勇気づける才能
- 体制と変革の両面を理解する知恵
- 直感と理性のバランスを保つ判断力
こうした山羊座7度のエネルギーを
日常生活で活かすためには
まず自分自身の内なる声に
耳を傾ける習慣を持つことが重要です。
夢日記をつける
瞑想の時間を持つ
自然の中で静かに過ごすなど
内的な世界とつながる時間を
意識的に作りましょう。
そして、自分が所属する
コミュニティや組織の
「空気感」を感じ取ることを
意識してみましょう。

力強さと指導力の源泉
このように、この度数が持つ
最も重要な特質
<「集団の心理的雰囲気」を読み取る力>
は、単なる観察眼ではありません。
「場を流れる空気感」や
「心理的雰囲気」
という言葉で表現されるような
地域や土地に根付いた
エネルギーの流れを
まるで呼吸するように
自然に感じ取る能力です。
それは
共同体を支えている
人々の意識の深い部分の
エネルギーを感知する力
とも言えるでしょう。
言葉にならない雰囲気
暗黙の了解
集団が共有している不安や希望──
それらを意識化し
「言葉」という形で
顕在化することで
あなたは真の意味での
「預言者」になることができるのです。
ですので、受け取った情報を
まずは自己の内側で消化し
それを理解する過程で
受け取った深い洞察を
人びとに共有してゆく―
それが人びとを勇気づけ
前進させる力となるでしょう。
体制と変革の狭間で
但し、このシンボルの
もう一つの重要な側面は
既存の体制の中で
そのエネルギーをよく理解しながら
同時にその崩壊への
萌芽にもなり得る
という矛盾した立場です。
共同体のエネルギーを捉える中には
その感知力が
共同体に潜んだ
「形にならない」側面を
察知することがあるでしょう。
それは時には
社会の存続をそのものを
否定する力として
顕現してくることも
あるかもしれません。
けれど属している環境の限界や
終わりを感じ取ることは
単なる破壊ではなく
永い目で見れば
もっと大きな循環の中の
再生への準備です。
この両方の視点を
見ることができる者だけが
真の変革の道筋を
示すことができるのでしょう。

あなたへのヒント
個人的に、このシンボルから
思い浮かんだのは
竹宮恵子さんの
「地球へ(テラへ)…」という作品です。
体制側に育てられ
そのマザーコンピュータの意志を継ぐリーダーと
体制からはじき出され
異端者のエスパー能力集団のリーダーとの
確執が主に描かれた作品です。
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特に体制側のリーダーが従っている
マザーコンピューターの「意志」は
比喩的にデフォルメされた形、ではありますが
このシンボルの「共同体のエネルギー」に
近いように感じました。
けれども
この孤独で孤高のリーダーが唯一心を許した
近しい3人の人物から芽生えた
「感情」「違和感」のようなものが
次第に彼に地球の命運を分かつような
大きな決断へと向かわせて
物語は終わります。
(映画やテレビなどの各シリーズで多少の誤差があります)
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それはこの人物が
「共同体」の意志を体現する立場にあっても
最後は「内面」の声に従った、
ということと思います。
(私の勝手解釈ですが…
違うよ、という方はご容赦ください)
それはこの作品のずっとあとに登場した
映画「マトリックス」でも
似たようなテーマが浮かび上がっていると思います。
私たちはどんなに
「集団」の中にどっぷりと浸かって
その「暗黙の意志」に従っていても
常に「それ」と「内面で感じている洞察」とを
冷静に対峙させなければならない
そういった場面に出くわすことは
人生に何度かあるのではないでしょうか?
それは映画「マトリックス」の中で
主人公が
「現状維持」か「逸脱か」を象徴する
赤い薬と青い薬の
どちらを選択するかー
というシーンに象徴されるとき、と
言えるかもしれません。
そのときこそ
今現在の「共同体」のサイクルが
どの段階にあるのか?
そして自分はそれを読み取って
周囲の人々に何を告げるべきか?
それを見極めることが
このシンボルの
「預言者」の意味なのではないでしょうか。

