牡羊座1度~春分のサビアン*「女性が水から上がり、 アザラシも上がり彼女を抱く」
牡羊座1度の物語…ホロスコープでは牡羊座0度に太陽が入る日が「春分」。新しい1年の始まりの日です。最近では「宇宙元旦」とも呼ばれていますね。ホロスコープ360度の1度1度にあてられた「サビアン・シンボル」の1番初めのシンボルをご紹介します。
※2024年の「春分チャート」読み解きは→→こちら
お芝居を劇場に足を運んで
ご覧になったことはあられますか?
場面が切り替わる時には
一度スポットライトが暗転して
その間に目立たないよう黒装束に身を包んだ
いわゆる「黒子」の方たちが
舞台装置を一変させます。
「春分の日」とは例えるなら
「魚座」という舞台から
「牡羊座」という舞台への
「暗転」です。
「暗転」のあと
再び舞台に
スポットライトが当たった時には
そこはまるで全く異なる場面で
お話が展開してゆきます。
それが「春分」です。
けれども全体のストーリーとしては
確かにどこかで
前回の場面とつながっています。
その前の「おはなし」が
「伏線」として含まれています。
その「伏線」とは
「春分」の前日までの1年間に
私たちが生きてきた道のりです。
それは「牡羊座」から「魚座」への
一連の物語の集大成として
そこで起きた様々な出来事から
私たちが感じたこと、考えたこと…。
この「暗転」の場として
サビアン・シンボルでは
魚座30度
「巨大な石の顔」
というサビアンが登場します。
ルディア訳では
「人面に似ている巨岩の累層が、
少年にとっての偉大さの理想像となり、
彼は成長するにしたがって
その像に似はじめる」
です。
少年が抱いていた理想のように
「思い」や「決意」を胸の奥深くに秘めて
新しいストーリーが
いま、始まってゆくのです。
サビアン・シンボルとは
サビアン・シンボルとは
「サビアン」とはホロスコープ上の
1度1度に与えられたイメージ・シンボルです。
1925年、アメリカの占星術家
マーク・エドモンド・ジョーンズと
エリスフィラーという女性詩人が風変わりな実験をしました。
360度星座の度数を書いただけのカードを
フィラーに与え
そこに湧き起こるイメージを記録していくというもの。
その結果
「ホロスコープ上の1度1度全ての意味が明らかにされたもの」
…それが「合計360個のサビアン・シンボルです。」
(松村潔先生「神秘のサビアン占星術より)
陰陽五行から見る「暗転」
牡羊座0度→→サビアンは
プラス1度読みしますので
牡羊座1度
「女性が水から上がり、
アザラシも上がり彼女を抱く」
です。
ボッティチェリの
「ビーナスの誕生」にもみられるように
「海から上がる女性」は
古来「始まり」のイメージ。
「水」が象徴するのは
女性が上がってきた魚座の象徴する
潜在意識や集合無意識
とも言い換えられます。
まるでそれまで育くまれていた
母親の胎内の羊水からのように
ひとりぼっち肉体を持って
分離して
「個」としての意識を持って
生まれ出てくる。
魚座30度で
夢見るように無意識に
理想を投影したもの
それ自体に
自分自身が同化してゆく
夢のように
また「種」のように
最後に魂に刻み付け
胎内の羊水をあとにして
牡羊座1度として
生まれ出るのです。
水陸で生存できるアザラシは、
無意識・全体意識の海と
肉体に宿る個体意識を
繋ぐような存在。
「急がなくて良いよ、
ゆっくりとこの世界に慣れていけば」
とでも言うように
そっと抱きしめて…。
陰陽五行から見る「暗転」
ここで少し
陰陽五行のお話をしてみたいと思います。
「五行」の古典的な意味合いを紐解くと、
【水の気】は
「胎(はら)」を意味します。
古代には「穴」を祀るという行為が
行われていたとされます。
芋虫が蝶に変容するには
サナギというプロセスがあります。
「メタモルフォーゼ」のためには
いったん「お隠れ」が
必要ということです。
カマクラ(神の穴)の中には、
水神さまが祀られる。
穴と水は
陰陽五行思想で
密接なかかわり合いがあり
北の坎宮(=穴宮)は水気象意の方位である。
(吉野裕子さん「隠された神々~古代信仰と陰陽五行~」)
そして
「東=誕生~西=終結」が
この世であるのに対し
「西=終結~東=誕生」の「あいだ」
いわば「向こう側」の世界に位置するのが
この「穴」の役割だと論じておられます。
母の胎も墓も共に「穴」であって、
この穴にこもるということがあってはじめて、
完全な生と死が達成されるのである。(同書)
「魚座」という集合無意識の状態が
この「穴」に相当すると考えれば
こちらのサビアン・シンボルと
不思議な一致を感じませんか?
陰陽五行から見る「暗転」
そして牡羊座は
そんな自分を自分を包んでくれていた
母親の胎内、そして
自分を護ってくれていた
母親の意識から
お腹をポンと蹴って
その影響の外へと
飛び出してゆくのです。
そして「誕生」からは
「魚座」までに夢見ていた
潜在意識に溜め込まれた「記憶」が
「牡羊座」からの
「新しいものがたり」の中で
現象化(現実化)する
=カタチになってゆく…のだと思います。
「内側」(魚座=女性性)
の中に培ってきたものが
「外側」(牡羊座=男性性)
へと表出されてゆく。
そのために魚座は
いったん眠りにつく。
そして目覚めた時
もうそれまでの記憶は
夢の中に忘れ去られているけれど
「それ」が
新しい現実のおおもとになっている。
隠れていた部分=
「陰」が暗転→→反転して
目に見える現実=「陽」に変わる。
そうやって
一つのサイクルが終わるごとに
私たちの放つ「波動」も
(そこに畳み込まれている
「経験」「記憶」の蓄積によって)
より微細な周波数に変わってゆく…。
そのようにして
「魂レベル」「意識レベル」を
向上させてゆくのです。
※※2024年の「春分チャート」読み解きは→→こちら