牡牛座22度「荒れた水の上を飛ぶ白い鳩」*「不安」を「希望」に替えてゆく
5月12日前後の太陽のサビアン。私たちが生きていく中で「不安」や「心配」がつきものですよね…。けれどもそんな時でも未来に「希望」を見い出していくにはどのように心の持ち方を考えてゆくと良いでしょうか?こちらのシンボルが教えてくれるかもしれません。
ノアの箱舟と白い鳩
旧約聖書の「ノアの洪水」を
モチーフとしたシンボル
とも言われます。
まるで暗い夜のような
何日も降り注いだ
大洪水が
やっとやっと雨が上がり
太陽の光を拝んだであろう
ノアたちの心境を
彷彿とさせられるような。
ノアたち一家は
生命すべてを呑み込んだ
大洪水の中で
神より伝えられた
建造法で一層の船を造り
その船に地球上の
さまざまな動物を乗せて
嵐の過ぎ去るのを
じっと耐え忍び
今か今かと待ち続けた。
そして洪水が引いたかどうかを
知るために
鳩とカラスを飛ばした。
カラスは戻らなかったが
鳩はすぐ戻ってきたため
まだ降り立つ地が
現れていないことを知った。
7日後にもう一度鳩を飛ばすと
今度はオリーブの葉をくわえ
戻ってきたので
水が引きつつあるのを予感し
歓喜した。
更に7日後に飛ばしたところ
今度は戻ってこなかったため
水が引いて
降り立つ地が現れたことを知った。
…そんなお話です。
荒れた水の上を飛ぶ白い鳩
さあ皆さま
ここでオリーブをくわえ
まだ水の引かない
荒れ狂う水の上を
陸地を探して飛び続ける
一羽の鳩を
思い描いてみてください。
鷲や鷹のように
そんなに高く飛ぶはずもない
鳩のこと。
荒れた水が
時々は鳩の羽まで
高くしぶきを上げてくることも
あったに違いありません。
襲ってくるような
たけだけしい水に
怖れ
不安になることも
きっとあったはず…。
それでも
待っているノアたちのことを思い
勇気を持って
陸地を目指したことでしょう。
もし
そんな「目的」を忘れて
猛り狂う水しぶきの「勢い」に
呑まれてしまえば
きっと気力が萎えて
水の中に堕ちてしまったかも
しれません。
けれども鳩は
自分の「目的」を
忘れませんでした。
どんなに水が荒れ狂っても
それに呑まれることなく
つまり自分の「感情」に
呑まれることなく
自分の降り立つべき地を
探し続けたのです。
だからこそ
最終的に鳩は
ノアたちに
オリーブの葉を
届けることができました。
それを見たノアたちは
オリーブの葉と共に
「希望」を受け取ったのです。
鳩はきっと
ノアたちの「力になりたい」…
そう思って
一心に飛び続けたのでは
ないでしょうか?
「希望」を届ける
鳩の「ぶれない心」が
「希望」を届けることが
できたように
誰か一人でも
目指すべき方向を
見定め
歩み続けることは
あとに続く人たちにも
力を与えることができる…
そんな風に
伝えてくれているように思います。
こんにちの社会でも
不穏で心揺さぶられるニュースは
後を絶たないけれど…
周囲の状況、また人間関係などが
「荒れた水」と表現されるような
ざわざわと波打つような不安定さに
巻き込まれることがあったとしても…
ひとりひとりが
「先の未来」に
なにを望み
どんな世界を迎えたいかを
しっかりとイメージしながら
進むことも、大切だよ、と。
「能動性」の21度と「受容性」の22度
松村先生はこのようにお話されています。
「荒れた水」は
ザワザワする内面や集団心理を物語り
その中で必要に迫られ
「白い鳩」がやってきます。
(中略)
地の母は
カバラの生命の樹では
ビナーのセフィロトですが
そこに従属するという誓いを立てれば
そこから
強力な守護
(鳩と言う平和の遣い)
がやってきて
難関を突破する
奇跡的な出来事が
起こると言います。
(松村潔先生「愛蔵版サビアン占星術」)
それは
この地上に連綿と受け継がれた
人びとの集合無意識からの
ひらめきとも
言えるかもしれません。
牡牛座とは
生れたばかりの牡羊座から
数えて2番目のサイン
誕生で手にした「身体」や
「資質」に価値が置かれます。
「身体」には
先祖代々受け継がれたDNAに
様々な可能性が眠っていますね。
ご先祖や民族といった
集合的無意識層から
ヒラメキように
これから進むべき道を示してもらえる…
ここに登場する「白い鳩」とは
ビーナスや
女神の遣いとも言われます
必要な時に
必要な導きは訪れると
信じることで
私たちを見守ってくれている存在から
「加護」がやって来てくれるのだと思います。
「受容力」の力強さ
先ほどの
セフィロトの「ビナー」には
「理解」という言葉が
充てられています。
意味としては
「受け取る力」
「受け取る覚悟」
「受け取る勇気」
そして
「受け流す力」
「笑顔の樹」さんより
「女性性」の象徴である
「受容性」とは
いっけんただ
相手の言うことに
黙って従うような
何だかナヨナヨした
頼りなさ
を感じてしまう方も
おられるかもしれません。
けれども「ビナー」の
象徴する天体は「土星」です。
占星術で「土星」と言えば
「試練」「制限」など
成長のために
ちょっと厳しい現実を
もたらしてくる天体。
思い出すのが
主人の転勤先の地方都市から
父の病院の付き添いのために
片道4時間かけて
実家の父のもとに通っていた頃の事。
ママ友の方に
下のお子さんが生れたけれど
大きな病気をされて
この先どうなるかわからない…
ということになって。
かける言葉が見つからなかった私。
ただ私は
私しか父の病院に
付き添うことはできないから
だから腹をくくって
私が、やると決めたから
やり続ける、と言う話をしました。
そうしたら彼女が
そうだね、
「腹をくくる」と言う言葉が
一番しっくり来た、
と言ってくれた。
そこに立つ人は
私しかいないから
だから受けて立つしかない…
そんなのも「受容性」と
呼ぶように思います。
誰かの話に
黙ってうなずくとき…それも
相手を「受容」すると
「決める」こと。
そこには
相手への「信頼」が生れている…。
そういう「静かな強さ」が
「受容性」「女性性」とも
言えるのではないでしょうか
そして
「やり遂げられるかは
わからない…
でもやり遂げようと決めた」
そこには
じぶんへの「信頼」
があると思います。
それは
未来に託す希望も同じ。
でも
もしもそこに
「信頼」が無かったら…
それはただただ
不安や心配に呑まれていく
「荒れ狂う水」
になってしまうのではないでしょうか
「少し離れて」
けれども
もしもそんな激しい感情に
囚われてしまったときは
どうしたら良いのでしょうか?
それは
「荒れ狂う水」を
見渡せる位置に
立ってみることだと思います。
自分と「感情」を引き離し
「感情」の少し上に立って
「こころ」の全体像を
見つめてみる…
じっと目を凝らし
何がわたしのこころに
波を生じさせているのか?…と…
そこには必ず
貴女の心の奥深い処に
何かしらの「原因」が
眠っているのです。
それは子どもの頃の
体験かもしれません。
誰かの心無い
言葉かもしれません。
もしかしたら
過去生での
あなたの経験…?
それが
「パターン」や「トラウマ」になって
「きっとまた
同じようなことが起こって
また私を深く
傷つけるに違いない」…と。
だから用心しなければ…と。
あなたの心の傷跡が
一生懸命
あなたを護ろうと
してくれているのです。
だからまずは
しっかりと
そんな
あなたを気遣う自分の傷跡に
しっかりと目を向けてあげて
欲しいのです。
辛い想い出のまぶたを閉じる
そうそう、この度数は
テレビドラマになった
「イグアナの娘」の原作者である
漫画家、萩尾望都さんの
太陽の度数らしいです。
この方の漫画で
随分前に読んだ中で
印象に残っているのが
次のような物語。
主人公の恋人が
自殺した母親の記憶を
封印されていたのですが
いつもどこかで怖れを感じていて。
それで主人公が
その記憶を
ホログラフィーのように浮き上がらせて
記憶の中で開いたまま死んでいった
母親の瞳のまぶたを
閉じてあげるというもの。
あなたの心の
波立つ感情
怒りや怖れや
不安や苛立ち…
何かあなたの心を
満たすものから
遠ざけているもの。
その裏には
この主人公のように
「開いたまま閉じることができないでいる瞳」
が隠れていないでしょうか?
もしかすると
それを静かに
見つめ直してみることが
促されているのかもしれません。
蠍座と牡牛座を結ぶ「信頼」
ホロスコープの
180度真向かいのサインは
相手が相手の
鏡のようになっています。
牡牛座の向かいは蠍座…
22度は第5グループですが
ひとつ手前の第4グループは
「蠍座」からの
「侵入」を受ける度数
牡牛座は
身体的な資質
自分の個人的な可能性を
深く掘り下げてゆくサイン
蠍座は自分以外の存在と結びつくことで
それまでの自己の死と再生が
進んでゆくサイン
(松村潔先生「愛蔵版サビアン占星術」)
蠍座が他者と結びつこうとするとき
そこに生まれるのは
「信頼しようとする心」と
「信頼しても大丈夫か」という
「怖れ」との
葛藤でないかと思います。
蠍座がこの葛藤を乗り越え
「他者への信頼」を覚えることで
牡牛座は一つ上の段階に進み
牡牛座が
「自己を信頼」することで
蠍座は一つ上の
「他者を信頼して結びつく」へと
歩みを進めことが
できるのだと思います。
「導き」を受け取る
そしてこちらのシンボルで
最後にもうひとつ
お伝えしたいこと…
それは
「導きを受け取る」
ということです
不安定な状況や、
心理に陥りやすいとき
そんなときにも
心の平安を保つには
どんなときも
困難を乗り越えるための「導き」は
必ずもたらされると信じること…
そして
荒れた水の上から
少し距離を置いて飛んでいた鳩のように
「導き」を受け取るためには
どこか一歩離れたところで
感情の波を抑えることが
必要かも知れません。
感情の湧きたつようなシーンに
出くわしたときこそ
人びとを導く
「使者」としての
鳩のように
自分の内面の信念や
より大きな視点に立ち返って
取るべき行動を
見極めていきたい…
そんな時こそ
自分の中の「直感」に従って
周囲に気を配ってみることで
必ず状況を切り抜ける
「ヒント」が
そこかしこに散りばめられていることを
発見することが
できるのではないでしょうか
周囲がたとえ
「荒れ狂う水」のように見える時でさえ
必ず「導き」があることに
気付いてゆくことで
ノアにとっての「白い鳩」のような
「安心」を見い出すことができます
オリーブの葉を、次の誰かに…
貴女の今の心の状態が
未来の貴女の現実を
引寄せてゆきます。
その波動が
また他の誰かにも
拡がってゆきます。
だからこそ「あなたから」…
ノアたちが
オリーブの葉に託したように
「希望」と言う「未来」に
意識をフォーカスし
あなたの陸地
あなたの着地点を
目指して下さいね。
そうすれば、きっと
それは次の誰かの「希望」へと
繋がってゆくのだから。