蟹座28度「現代の少女ポカポンタス」*現状を突破し外の世界へ飛び出す一歩
7月20日前後の太陽のサビアン。古来よりの部族の「慣習」を破って、自身の中の人道的意志を貫き白人船長を介抱し、その縁で白人社会へ入っていったと言われるインディアンの少女を冠したこのシンボルは、私達に何を伝えようとしているのでしょうか?
サビアンシンボル28度
28度とは
安穏とした古い環境や
生活上の安心を手放してでも
新しい価値観への関心が勝る
「次のサイン」へ移るための
「ゲート」のような意味を持ちます。
まるで次のサインへ移行する
「決意」を心に秘めたような
ひとつのサインの学びを終えて
次のサインへ…
移行の準備を始めるところ。
蟹座で言えば
次のサインである
「獅子座」を
意識し始める度数となっています。
少女「ポカポンタス」
ディズニーの同名映画でも
有名な「ポカポンタス」は
実在したとされる
ネイティブ・アメリカンの酋長の娘です。
Public domain, via Wikimedia Commons
1つの信条のもとに人々が集るとき
「社会」を形成され
その「安定した場」からは
私たちは多くの素晴らしい恩恵を
受け取ることができます
けれども
ポジティブな面があれば、同時に
ネガティブな面も生じ
「自分たち」という
「テリトリー利益」が優先されたとき
そこは「社会」と「社会」が
ぶつかる原因ともなってゆきます
そうしたマイナス面に
転じる可能性を秘めているのが
おのおのの社会で共有される
「ローカルな価値観」です。
立場が違って
見るものの「レンズ」が変われば
「正しさ」も変わります。
そこで、ポカポンタスの登場です。
少女ポカポンタスの「意志」
自分たちの土地に乗り込んできた
「よそもの」の白人船長である
ジョン・スミスを
処刑しようとする父…
それを命がけで命乞いをし
一命を取り留めた…とされています。
その後の人生も
波瀾万丈だったようですが
伝承によるところが大きく
真実はわかりません。
ただ
原住民と入植者の間で
翻弄された人生であったことは
間違いありません。
恐らく
有無を言わさず連れ去られ
「拉致されるポカホンタス」ヨハン・T・デ・ブライ画(1618年)
Johann Theodor de Bry, Public domain, via Wikimedia Commons
自分たちの利益のため
「ネイティブアメリカン同化政策」といった
原住民に白人文化を強要する政策に
利用されたのが
ほんとうのところかもしれません。
後に美化されて描かれたという絵画
「ポカポンタスの洗礼」は
美化されて描かれた「ポカホンタスの洗礼」(1840年、ジョン・ギャズビー・チャップマン画)
John Gadsby Chapman (photograph courtesy Architect of the Capitol),
Public domain, via Wikimedia Commons
そんな自分自身の運命を
彼女は苦痛に捉えていたのか
それとも
故郷とは異次元の生活を
楽しめていたのか?
数々の逸話も
歴史的な結果も
「正しいのか」
「間違っていたのか」は
判断する人の「立場」によって
異なるでしょう…
けれども
ただひとつ言えるのは
白人船長を助けたとき
まだたった11歳だった
幼い彼女の心にあったのは、ただ
「苦しませないで」
「争わないで」
「仲良くしてほしい」
という心だけだったと思います。
空想に基づいて描かれた「スミスの命を救うポカホンタス」
New England Chromo. Lith. Co., Public domain, via Wikimedia Commons
それは
「蟹座」的な
「共同体ルール」より
「獅子座」的な
内面の【火】から出た
「自分の心に照らしての行動」を
選択したということ
ではなかったでしょうか…。
内面の【火】とは幼い彼女
心の中に育まれていた「良心」。
目の前の苦しんでいる誰かを
「助けたい」という
シンプルで人道的な「意志」。
(それはきっと
「蟹座」的な「安心・安全な」場で育まれた
「共感力」をベースに育まれたもの…)
その心は
テリトリーとテリトリーとの
覇権争いを超えた
「大きな枠組み」へのシフトを促す可能性を
秘めていたのはないでしょうか。
インディアンの酋長
ここで、サビアンシンボルで
もうひとつ「インディアン」が登場する
山羊座1度のサビアンシンボルを
見てみたいと思います。
山羊座1度
「認識と求めるインディアンの酋長」
です。
上記の参考にさせて頂いた
「ポカポンタス」の
Wikipedia によると
ネイティブアメリカンの「酋長」とは
「王」や「皇帝」とは
まったく違った立場であり、
ポカホンタスを
「姫」「王女」と紹介するのは
まったくの誤りである。
となっています。
更にWikipedia「酋長」のページ では…
文字を持たない合議制社会である
インディアン社会では、
気前がよく、また弁舌に長けた者が
周囲から認められて初めて酋長となった。
個人が誰かに任命されたり、
他者を押しのけて
就任したりするようなものではない。
その役割は、あくまで
「調停者」、「世話役」、
あるいはむしろ「奉仕者」であって、
「司令官」や「指導者」、
「首長」というような権力者ではなく、
他者を従属させるとか
命令するとかいった権限は持っていない。
「指導者」と思い込んだ誤解により
コロンブスは「酋長」を制すれば
部族民は屈服すると考えた
…となっています。
「合議的に」を旨とする
インディアン社会を考えれば
山羊座1度のシンボルの
「認識を求める」という言葉も
「対話を前提」と言う意味が含まれているのかも…。
インディアンの酋長が求めたものは?
ではいったい何に対して
「認識を求めた」のでしょうか?
恐らく彼らの住む
先祖代々からの(4ハウス→→蟹座的な)
「土地」の
「大きなる自然の恵み」を受け取って
そこに住む全員が
平等にその恩恵を受けられるように
配慮し合うこと
であったのでは?
ここで言う「土地」とは
「利権争い」の対象のような
土地ではなく…
映画「アバター」で
祖先から受け継がれた神聖な土地に行き
身体のコード?をさして
先祖からのメッセージを受け取る…
そんな場面がありましたが
そのようなイメージです。
つまり
山羊座1度の「酋長」が
「認識を求めて」つくろうとした
「山羊座的な社会」とは元来
「テリトリー」を拡げ
「私利私欲」を肥やすための
ものではなく
「蟹座的」な
「先祖」から守られた
「安心・安全な場所」を
維持し発展させようとする心を
「基盤」(=4ハウス)とする
ものだったはず…。
「ポカポンタス」は
女性的・母性的
慈愛のこころから生まれた「意志」で
そうした社会を、無意識に
志向していたのではないでしょうか?
新世界との接触
彼女は「外の世界」つまり
「異世界・新世界」との接触に
「開かれた心」で対峙しました。
ここで考えてみたいのは
インディアンの人びとに
白人の到来が
どのような衝撃をもたらしたかということ…
それは日本で言えば
江戸時代に突如現れた
黒船のようなもの。
まるで「異次元」が形を持って
目の前に現れたような
驚きをもたらしたことでしょう。
最近YOU TUBEでも
「異星人」とコンタクトを取って
受け取ったメッセージを
配信している方が多くみられますよね。
けれど「そんなバカな…」と
一笑に付し
まったく信じない方も
おられることと思います。
例えば、こんな逸話をご存知でしょうか?
アフリカの原住民の方を
高層ビルの立ち並ぶ街にお連れすると
ビルが「目に入らない」
という現象が起こるのだそうです。
たとえ目に入っていても
脳内にそれに関わる「情報」が一切含まれていなので
結果「目に入らない」
「気付かない」「認識されない」
状態となるそうなのです。
この逸話が真実かどうかは
わかりません。
ただ実は似たようなことは
私たちの脳の中では
日常的に起こっています。
脳の現状維持機能
それは脳の
「視床ゲート機能」というもの🧠
「匂い以外」の感覚情報は
「視床下部」を通って
大脳皮質へ送られる際
必要か不要かの
選別をされてしまうのだそう。
脳がその情報を不要と判断すれば
「認識」が拒否されてしまうのです。
(参考:wiki視床ゲート機能)
またその判断基準と考えられる
脳機能として
「ホメオスタシス(恒常性)機能」
というものがあります。
脳は
生存競争の激しかった時代の
名残として
自分の居る世界を
安全に保つための情報を
最優先する性質があります。
つまり脳にとっては
「新しい変化」を排除して
「現状維持」をすることを
最も優先するということ。
だから
「今までと同じ」は固く護られ
他は自動的にシャットアウトされて
しまうそう
あれれ…これってちょっと
「蟹座」っぽくないですか⁉
「蟹座」とは
「テリトリー」を表すサイン。
蟹という生物は
身体の中身は
トロッとしていますが
外側は
固い甲羅で覆われていますよね。
そんな「蟹」の身体と同じく
安心、安全な「居場所」を守るため
「よそもの」は排除する…
そんな象意も「蟹座」には含まれています。
自分の中から湧き上がるもの
けれどもいま28度と言う
次のサインへの移行
「獅子座」への移行を準備する度数にある
こちらのシンボルは
四大元素で言えば
【火のエレメント】に当たる獅子座が
「自分の中から湧き出る情動」
を大切にしようとするように
彼女も「自分の意志」を
大切に行動しました。
…つまり暗黙の了解のごとく
自分の属する「従来の社会」の決まりに
盲目的に従うのではなく
「自分の心から湧き出る意志」に
忠実に行動したことで
部族と部族の橋渡し的な役割を
担うことになっていったのです。
「自分の意志」にフォーカスすることで
「蟹座」という「固い殻」に覆われた
「テリトリー」の「外」へと
突破する糸口を見つけていったのです。
「海馬」の情報選別
このポカポンタスの行動は
脳の働きにも
応用することができそうです。
感覚機能と別に
出来事などの「記憶」や
勉強した「知覚情報」などは
脳の「海馬(かいば)」で
整理・選別されます。
そして「大脳新皮質」へ
送られたもののみが
「長期記憶」として定着するそう。
海馬が考える重要な情報とは、
分かりやすく言えば
生死にかかわるような情報です。
断片的な記憶は
すさまじい勢いで消えていきます。
私がキーワードやテーマを強く、強く意識せよ、
というのはこのことです。
海馬に伝えるのです。
「この手の情報は僕の人生に
大きくかかわることだから、
特別扱いしてね」と。
こうした自分の脳への呼びかけを
事あるごとに繰り返す。
海馬は考えます。
「何度も言うのであれば、
よほど重要な情報なのだろう。
よし、この手の情報は
今度から優先的に入れていこう!」
つまり自分の中の「火」を見つめること
しっかりとした「意図」を持つことで
脳の機能の
「自動的な情報選別」を阻止し
「現状維持」の壁を
突破することができるのです。
自分の中の「新世界」へ
このように
ご自身の中に
【どのような「意図」を持つか】が
「新しい世界」を体験していくためには
非情に重要なのです。
それは
「現状」に留まらず
「今まで」という「枠」の「外」へ
飛び出そうとする意志
…とも言い換えられると思います。
「変化」を恐れず
「未知の世界」をも
柔軟に受け入れる姿勢と
自分が「招きたい未来」へのビジョン
それが私たちに
「未知の世界への新しい扉」を
見せてくれるのです。
蟹座28度のサビアンは
「現代の」少女ポカポンタス
となっています。
私たちは
この勇気ある小さな少女の物語を
現代に…どのように
活かしてゆくことができるでしょうか?