双子座14度「テレパシーでの会話」*言語と言葉の壁を超えた人間性への理解を目指して
6月4日前後の太陽のサビアン。私たちが人とコミュニケーションを取っていく上での、物質的・肉体的・社会的な制限を超えて、新しい関係を築いていこうとする意欲を表すシンボルです。それは<真の意思疎通>とは何かを探求する、深遠な旅への招待と言えるかもしれません。
「真の意思疎通」とは
個人が体験したことや
そこで生まれた感情を
<人に伝える>ということは
本来とても難しいことです。
実際それを体験したのは「わたし」ですし
それにそもそも、私たちはそれぞれ
「異なる世界観」の中に
住んでいるとも言えます。
それでは、そこでどのようにしたら
「真の意思疎通」を
はかることができるのでしょうか?
一人一人の体験や学びに基づく
その人それぞれの「持ち味」は
大変に貴重なものですが
それをただ「表現」するだけでは
「真の共感」は得られません。
ましてや形式的な言葉だけでは
本質的な理解には
到達できない現実がありますよね。
こちらのシンボルは
「言葉を交わさなくても分かり合える」
ような「以心伝心」的な
「察する力」と誤解されることも多いですが
むしろ「言語」や「言葉」の「限界」や
「地域」や「習慣」で分断された「差異」
に着目し、その向こうにあるものを
真摯に見つめようとしているシンボル
であるのだと思います。
双子座13度の失敗!?
一つ前のシンボル双子座13度の
「ピアノを前にした偉大な音楽家」は
「言葉」を介さずに
ご自身の「スキル」を
多くの方々の前で披露することによって
ご自身の「抜きん出た点」を
表現し、確立しようと試みました。
私たちはそれぞれが持っている
才能や体験といったものを
他の人びとに共有するために
それを「表現」していくことは
とても大切なことですよね。
けれども、そうした
「専門性」を強調することで
ともすると
あいつは「持っている能力の差」を
誇示しようとしているな…
みたいに思われてしまい
かえって孤立感が強まってしまう
独りになってしまう
そんなことってありませんか
ほら、例えば
ブログなんかでも
「専門用語を使わず、
お客さま、読者にわかりやすく」
とはよく言われることですよね。
(ひゃあ、占星術なんて特にそうかも…汗)
そんなわけで
双子座13度で
「人の心に響く演奏」を目指した双子座は
もっと本当の心と心の通い合いについて考え
人とのつながりを求めるようになったんです。
それがこちらのシンボル
双子座14度「テレパシーでの会話」です。

言葉を超えた理解へ
考えてみれば、人というのは
それぞれが違った慣習や
ものの見方の上で生きています。
そうしたものを乗り越えて
お互いの思いや感情を伝え合い
ホントウに理解し合うには
どうすれば良いのかしらん…、と
双子座の人は考えました。
…そのためには…
じぶんの気持ちを届けるために
相手の心の緊張を緩め
まるで胸の内に入っていくかのように
深く分かり合うためには…?
そうだ!(とポン、とこぶしで手を叩く)
「言語」という境界線も
超えていってみてはどうだろう…。
つまりこちらのシンボルは
表面的な「言葉」にとらわれることなく
そこに込められている
「感情や思い」といった
「エネルギー」の方で
人と繋がっていこうとしているのです。
それは一方的な自己表現から脱却し
本当に分かり合える
コミュニケーションとは何かを
模索する意欲によって実現されてゆきます。
そこで…「言語」という形にこだわらない、
新しいコミュニケーション手段を試みることで
単なる情報の伝達ではない
<存在そのものの共鳴>を
心の深層で直接つながる、
新しい交流の可能性を目指していくのです。
意識の共鳴による意思疎通
ルディア版ではこちらのシンボルは
双子座14度
「物理的な空間や
社会的な差異に橋を架けるため
二人の男がテレパシーで通信している」
となっています。
相手の存在を尊重し
自分とは異なる世界観を持つ人々との間に
本質的な橋を架けるためには
何が必要でしょうか?
それは「超能力」の話ではありません。
心の領域、意識の領域で
ダイレクトに行われる
真の意思疎通が
求められているのではないでしょうか。
それを結ぶのは
私たちが共に持っている「人間性」であり
または、その根底にある
「共通原理」への深い興味と理解です。
「テレパシー」とは
「言語」や「言葉」に依らない
そうした「共通原理」に根差した
<新しい交流の技術>を
示唆しているのです。

「言語」という壁
ここで考えてみたいのは
「言語」というもの
「言葉」を介した伝達というものの
「限界」について、です。
「言語」というものも
そこに含まれる「言葉」というものも
ある意味「ローカル」な仕組みですよね。
私たちが共に持っている「人間性」や
「共通原理」に対して
「差異」を作り出すことで
「色付け」をしたようなもの
と考えてみて下さい。
つまり、「全体」の
「ある一部分だけ」を
「切り取って」
「枠組みをつくっている」
ものであるということです。
そのような
「枠組み」をつくることによって
その言語を話す
ローカルな地域の人同士が
「理解できる」ものとなっています。
けれども逆に言えば
「全体から一部を切り取られたこと」で
「切り捨てられたもの」もある
と言えると思います。
ですから
双子座14度の「テレパシー」とは
そのように切り取られ
切り捨てられたものを取り戻し
「そのままの全体を察知する」
コミュニケーション手法であると
言るのではないでしょうか。

「全体回帰」の視点から
サビアンシンボルにはこのように
「全体回帰」を
示唆するようなシンボルが
たびたび登場します。
例えば牡羊座9度では
「全体そのままを見つめる」
水晶玉が登場しています。
そのようなイメージで考えると
双子座14度が示唆するような
コミュニケーション手法が実現すれば
私達人間に共通する「根っこ」にあるもの
のところで
理解し合うような
そんな繋がりが、実現するかもしれません。
それは人種や民族といった
ローカルな地域性を超えて
繋がることができるようになってゆく
ということと思います。
それは私達一人一人が持っている
「差異」を超えて
「水晶球」を見つめるような
「全体を見る視点」で
「同じ人間どうし」というところで
「共通に持っているもの」は何か、
そのような見方で
相手を理解しようとする試み
とも言えるかもしれません。
水瓶座時代へのプロローグ
双子座は【風のエレメント】に属しますが
今私たちの時代は
「水瓶座時代」
「風の時代」に移行したとされています。
そこではいっそう、
統合された全体性の世界観や
コミュニケーション手段へ移行してゆく…
と言えるのではないでしょうか?
ここ数年で急速に広まった
世界各地でコミュニケーションが取れる
ZOOMによるオンライン・ミーティング。
そして昨今急激に進化した
オンラインサイトの自動翻訳。

それは聖書の「バベルの塔」よりも
以前の世界を彷彿とさせます。
「バベルの塔」の物語では
もともと世界中の人々は
同じ言葉を話していたとされています。
けれどそのために人々は共に
「天に届き、
神に近づくほど高い塔」を持つ
大きな町を建て
自分たちの名を高めようとしたため
神は人々の言葉を混乱させ、
お互いの道を行き来することを
阻止したというもの。
けれど私たちは、再び、
「統合」の時代を
迎えようとしています。
それを「神への冒涜」ではなく
「愛ある協力」にしていくためには
この「テレパシーによる交流」のように
もっとも私たちの根底にある
「共通原理」について
深く理解していくことが
必要なのではないでしょうか。
それは「新しい時代」
「新しい地平」の到来です。
異なる言葉や
異なる習慣を持つ人々が集う
技術が進展する中でも
深く心を通わせることのできる
コミュニケーション。
心から心へと
もっと直接的な形で思いが伝わるような
意識の領域にまで
踏み込む努力が
求められるのではないでしょうか。
*ご参考記事*
対向にあるのは、射手座14度
「ピラミッドとスフィンクス」
それは古代の人々が
言語も科学知識も全く違う
後代の人類と意志疎通するために
時代を超えて
「普遍的な人類共通の知恵」を
伝えようとする試みかもしれません。